宇多津町は本年度から、乳児健診に訪れた保護者に液体ミルクを提供する事業を新たに始めた。 衛生面や利便性から災害時に有効とされる液体ミルクを実際に使ってもらうことで、各家庭での備えを後押しするのが狙い。 日常生活の中で使用し、使った分を補充する「ローリングストック」の実践も呼び掛ける。 液体ミルクは、粉ミルクのようにお湯で溶かして冷ますといった調乳が不要で、手間をかけることなく哺乳瓶にそのまま移し授乳できる。 国内では販売が認められていなかったが、2016年の熊本地震の際に外国から支援物資として被災地に届き、利便性に注目が集まった。 国の制度改正が行われ、昨年3月に国産の店頭販売がスタートした。 町は、被災時にストレスから一時的に母乳が出なくなるケースや、停電・断水の際にも利用しやすい点を踏まえ、液体Iミルクの家庭内備蓄を広めようと計画。 本年度から町として備蓄を始めるとともに、6カ月〜1年程度の賞味期限が切れる前に無償で提供し、各家庭で利便性等を確かめてもらう。 4月3日は町保健センターで3カ月児童健診があり、訪れた母親約20人に液体ミルク1個(125ml入り)や、ローリングストックの方法を記したチラシを手渡した。 同町の保科美琴さん(23)は長男の奏多ちゃんと検診に訪れ、『液体ミルクを試してみたいと思っていた、与えた時の子どもの様子を見て、備蓄を検討したい」と話した。 町は今後、毎月の同健診に合わせて保護者に提供していく予定にしている。 |