初めて下見した時は天高く馬肥ゆる時期でしたので葉っぱが生い茂っていました |
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殺風景な雑木林の風景ではありません、れっきとした作業前の建築現場ですが、季節は早春です |
記録に残っている範囲内ですが、実際に住宅を建築する際の様子を一部ですがご紹介しましょう 今回は家を建てる土地について、 をテーマにさせていただきます、住宅を建てる場合で不利な条件の住宅現場を選択しました 香川県内です、住宅の面積は香川県の標準面積位、普通の木造二階建住宅、一世帯用です ( 香川県平均延べ面積 2018年 125u前後 40坪程度 詳細はこちらです→香川県 ) |
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全ての生き物に対して敬意を払いながらの作業になりました |
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この森のように見えなくもない範囲が今回の住宅現場です、雑木や雌竹が生えており、大きい樹木は軽く10mを超えています 何十年も長期間放置され続けた結果、チョットした自然豊かな憩いの森と化していました 初めて現場調査に伺った時には驚きと同時に、ここに家を建てる?という素朴な疑問が沸いた記憶が残っています 池の水面に波立つ風波の浸食防止用の石を並べる作業のため、地元水利組合の方には池に貯水する時期を延期していただいたり 境界確認の立会いにお出でいただいたりと、関係者の皆様方にはお世話になりました 池の水が無いときに土地家屋調査士の方には隣地境界確定のポイント杭を岸辺の水中になるであろうという箇所に境界杭を 打ち込んでいただき、杭が浮き上がらないようにコンクリートで回りを固めました 池の護岸の浸食を防止する工事等は現実的に施工できる、経済性を考慮した工法を模索しながらの作業になりました ( 水中になったのは恐らく降雨と風波浸食の影響だと推察しています ) |
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森の撤去開始です |
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上の写真は森の撤去状況です、開始初期は大きな重機では換えって動きにくいのであえてかわいい重機で行っています とはいえ現場条件からして使用出来る重機の大きさは0.3程度です 写真の右下に見えます石のようなものは、小さな小屋の基礎ブロックの破壊塊ですが 小屋の木材は腐敗して痕跡も残っていませんでした 重機が使用できないところは人力の出番です、道具はエンジンチェーンソーが活躍します 作業中は周囲が森の伐採風景です、ちょっとした森の開墾、開拓しているような心境になりました 撤去した樹木は4tの箱ダンプに何杯あったのか記憶にありませんが、大きな樹木はご近所の方が利用したいとのこと 大木でしたので小さく細切れにしましたが運搬ができないようでしたので処分ついでに配達して差し上げました しかし処分するよりも何らかの役に立った方が当方としましても嬉しい限りです さすがに根っ子は大きな重機を持ってきて本格的に撤去処分しました、森に住む小動植物達には少し可哀そうなことをしたと思いますが 我々は建築屋ですので事前に地鎮祭を執り行い、神様にもご挨拶申し上げさせていただきましたので何卒ご容赦下さいますよう ちなみに小動植物達は、樹木以外で植物はタケノコ、つくし、わらび、タンポポ、ユリ等、他にもありましたがよくわかりません 小動物では蛇、蛙、トカゲ、亀、ヤモリ、カラス、猫と岸部に住む水鳥等でした、カラスには少し怒られてしまいましたが どうやら巣があったようです、他に池で飼っている鯉達には少し窮屈な思いをさせたかもしれません ( 鯉を放流しており、池の水は全て抜かず少し残しておいたようです ) |
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整地完了 |
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上の写真は家を建てる敷地内の森の樹木を伐採と脱根して、弱い地盤部分を補強してから表層土を花崗土に入れ替えた写真です 右側の池に残している樹木は自然浸食を緩和するために生かして残しています、浸食の度合いを簡易計算したところ10年間で約4cmと 判断しましたので、現実的に検討して家の基礎まで浸食するまでの期間を安全率込みで10年間で8cmで換算、200年間として家の配置を決定しました この配置の理由はいまから200年先になればこの地域も何らかの変化を起こしているだろうという勝手に将来へ期待して 決定したもので根拠は全くありません、この簡易計算と申しましても古い登記簿や僅かな資料とご年配の方々の昔話による推測、 侵食の痕跡や荒廃の状況から判断したものです 工事の仕様は上等工事にすればするほどコスト、工期も正比例しますので 住宅という使用目的を前提に現実的な費用割合になるよう検討させていただきました 家の基礎までの間に巾50cmの鉄筋入りの犬走りを池側に設けて、若干浸食の防御処置も施しますので基礎までの浸食まではもう少し 先になるのではと予想しています 法規的には主に建築基準法施行条例 宅地造成等規制法(PDF)等がありますが似通った相互関係の条文の解釈に迷うこともあります この場合には厳しい方の条文を優先しますし、また地方自治体によって県条例細則が付加されますので事前に行政に確認することも 大切だと思います、あくまでも法は最低限の取り決め事であって、多々建設工事にはアナログ的な部分が潜伏していたり介入したりして 人の判断に依存する場合もあると思っています |
土にセメントを混ぜた場合は成分も変化します |
URL | https://www.env.go.jp/water/dojo.html |
役所 | 環境省 土壌関係 |
URL | http://www.mlit.go.jp/tec/kankyou/index.html |
役所 | 国土交通省 環境 |
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家を建てる敷地の状態や強さを調べましょう |
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上の写真はスウェーデン式サウンディング試験(SWS試験、SS試験) を行っています、1954年位から初期は手動式でしたが現在は このような自動式の試験機を使っています、これは最近ごく一般的に使われている住宅地の試験方法です 細長い先に抵抗体 (この写真の棒の先端はスクリュー状) を付けた鉄の棒を地面に垂直に立てて重石を載せ、その重石に対して 何センチ地面に貫入していくかによって数値化しています 最大に載せる重さは約100kgです、これ以上は更に鉄の棒を回転させて25センチ貫入する半回転の回転数を1メートル当たりの半回転数 で記録します、このときの静的貫入抵抗を求め数値化して地盤の地耐力をN値に換算します 試験深度は地盤にもよりますが概ね10m位、測定ポイントは一般的に 5箇所です、主に土の硬軟や締り具合の判定をしますが N値は地盤の砂質系と粘土質系によって同じN値であっても相関性が違うため評価の基準も違います 測定結果この土地(粘土質系)の一番弱い部分は地耐力3t/m2 、下部の地層には普通の層(5t/m2 程度)が在りましたが 一般的に強固な地盤とは判定しにくいので基礎の工法はオールベタ基礎+思い付き工法と勝手に名称を付けました この+思い付き工法は名の通り独自工法ですので以降ご紹介させていただこうと思っています、なお現在の表記は t は使用せずに kN /m2です、また高所作業に着用する安全帯使用時の落下衝撃もニュートンで表します 静的荷重の重石は正確には50N〜1kN、5.098kg〜101.971kgです、サウンディング試験の種類は複数あります |
チョットした苦労話があります、作業員の休憩場所ですが |
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作業員の休憩所を作りました、ホームセンターで販売しているテントですが共通仮設工事という工種に含まれます |
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ホームセンターで購入した新品のテントです、現場で梱包を解いて組立ですがこれは開くだけの簡単セッティングでした 風除けは自作ですが、テントサイズに合わせてブルーシートをカットしてトラロープでちゃんと補強も入れている自信作です PPロープと木杭でテントをしっかり固定してからテーブルとイス、七輪をセッティングしました、残りは明日に消火器、水バケツとゴミ箱を 持って来ようと思い今日のところはここまでです、天気予報を確認したところ今晩から風が出てくるとのことでしたが 根拠も無く大丈夫だろうという思い込みと組み立て終わったという安堵感もあって現場を後にしました ( 注1 七輪はたばこの吸い殻用です、暖房用ではありません ) 夜中に吹く風のビュービューという不気味な音が耳に残ったまま翌日来ますと、テントがボロボロ・・・・・ポキポキ、ビリビリ! まだ一回も使っていないというのにポキンポキンに折れてしまってペッシャンコになっていました、軽量化の犠牲でしょうか イエ、当方の責任です、再利用不可 この状況をお施主さん(お客様)も察していたようで同情をいただき、気持ち分ということでカンパしてくださいました、ありがとうございます 気を取り直して再度ホームセンターへ直行、組み立て完了で何とかできましたがもはや写真を撮る気分にもならず テント写真は最初のこれのみです、新しいテントは屋根上部に通風開口がありました 物は大切にしないといけません、初代テントには申し訳なく思っています。 ( 左下に見えますのは薄いコンクリ (幅1.6m奥行0.6m厚4cm ) ですが唯一お施主さんより残すようにととのご希望です 割らないように注意しました ) |
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初代テントの無残になった部品たちですが、何かに再利用できないものかと現在思案中です |