外構1
宅地造成も完了しましたので、いよいよ本工事に着工出来ます
まず工事の前に隣地との境界を再確認してから始めましょう
境が間違っていると後々大変です
確定杭には全て逃げ杭を設けて、仮に確定杭が動いても境界を復元できるようにしておきます
この敷地形状は複雑でポイント数も多かったため、以外に時間を費やしました
逃げ杭の打ち方は人それぞれ仕方が違うかもしれませんが
協力業者さんにも簡単に復元できることをまず第一に考えて逃げの位置を出していきました
住宅工事の前の工事から開始です
何はともあれ、工事用車輌がスムーズに出入り出来るように
壊れてしまった橋を直しました、撤去や造成時の重機等の振動で破壊寸前です
工事用車輛が通る度に陥没が酷くなるので鉄板を敷いています
元々山林だった場所ですので土質は粘土質です、地盤沈下は圧密によっても沈下しますので
重量のある重機やダンプが通行すれば簡単に沈んでしまいます
敷き鉄板は何かと便利ですが持ち運びには苦労します
橋の撤去解体前の状況ですが陥没やヒビ割れが広範囲に入っていました
本来であれば、コンクリート土間がそれを防いでくれるのですが
画像をご覧なってもお分かりになるとおもいますが、コンクリートに厚みが無いため
通行したとたん簡単にパリンと割れました
古い橋のコンクリートを撤去したら次は堀方へ移ります
古い橋ですからコンクリートは薄く、当然補強鉄筋も入っていません
元々重量物が通ることは想定していないようでしたのでこの程度だと思います
新しい橋が完成しますと10tダンプが通ってもびくともしない橋になります
頑丈にする理由ですが建て方の時にはレッカーを使用します、皆さんもよくご存じの棟上げ時です
また生コンを打設するときや、屋根仕舞の時にもレッカーが必要になってきます
レッカーとは一般的なクレーンのことですが、我々はなぜか昔からこう呼んでいます
なぜクレーンなのにレッカーと呼んでいるのでしょう、レッカーはレッカーと呼んでいるのに
意味が通じればO.Kの世界かもしれません
主に使用しているレッカーは自走式のラフテレーンタイブ
10t〜旧型の50t程度ですが小回りが利きます
別名ラフターとも呼ばれています、現場の荒地や悪路も走行できるように
4WD、4WSになっていますが一般路走行時には後輪駆動で走行しています
現在は4輪から6輪になっていますので旧型は貴重種になっているようです
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壊れていた橋ですがこんな感じに完成しました
これ程丈夫な橋がはたして必要なのか!と思いながら技術者の自己満足かもしれません
橋と道路の堺目付近は水勾配を設けて雨水を橋の左右に流して水路に落ちるように誘導しています
左下にあるのは鉄板ですが、古い橋の上にあったものを再利用してただ置いているだけです
この道路は私道ではなく、れっきとした公道の市道ですが最初はまるっきり市道には見えませんでした
公道には道路境界がわかるようにポイント鋲を道路に数ヶ所打ち込んでいます
簡単に橋工事の流れを写真でご説明しますと
大きく分類してこんな感じです
古い水路が壊れていなくてホッとしました
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古い橋のコンクリートを撤去 |
U型側溝を逆に被せて型枠を省略 |
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D13@150の鉄筋で補強します |
橋には過大な厚みを持たせています |
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向こう側へ渡るための道板 |
ホウキで表面に模様を付けました |
橋に雨の排水溝を造ってみました、溝の深さは僅か5cmです
橋の大きさは平面詳細図から正確に検討しています
隣地や道路、水路境界線の兼ね合いがありますので慎重にならざるをえませんでした
橋の仕様等については解体中に現場の状況を見ながら判断していきましたが
構造計算もせずに経験と勘だけで工事を進めていきますと
えてして過剰気味な仕様の工事になってしまうような気がします
皆さんはそんなことありませんか、とは言え結果良ければO.Kと言いたいところですが
どうしてもコストが高くなってしまいがちになりますのでホドホドにしたいものです
溝の型枠は早めに脱型してコンクリートを表します、ほうき模様も良い具合です
橋へ自然に流れ込む雨水用の排水溝を設けましたが通行する車のタイヤが落ち込んでも走行出来るように深さを浅くしています
大雨の時には溝に関係なくゴーゴーと流れこんで来ると思いますが100%の対応工事は費用面で負担が大きくなることと
付近には水路が縦横無尽に敷設されていますので通常の対策までとしました
このような型枠の使い方を我々は盗みと呼んでいますがこの型枠の上面と下面の幅寸法をあえて変えています
下面を小さくしてコンクリート硬化後脱型し易いようにするためですがこの形状をテーパーを付けるとも呼んでいます
完成後、お隣さんが「この溝にうちの樋の水流すゾー」、お施主サン、軽く「どうぞー」で終了、のどかなもんです
溝の上の方に隣地境界杭が見えるのをお気づきでしょうか、溝とその左側はお隣さんの敷地ですが交渉して使わしてくださいました
少しでも橋の間口が広いほうが安全です、これからも良好な関係が維持できることを願っています
この溝の付近は道路、水路、隣地といった具合に入り込んでいますので、管理する立場としては非常に神経の使う場所です
写真では見えませんが溝の中にも境界があり、ポイントが存在しています
この溝のポイントにも当然逃げ杭を設けていましたのでステンレスビスを打ち込んで正確にポイントは復元しました
排水溝も上手くできたようです
生コンの配分は、個人的にfc=21以上を好んでいますので fc=21です、以前は kg や t で呼んでいた記憶が残っていますが
皆さんはいかがですか、fcとはコンクリートの圧縮強度のことです、引張強度の単位はニュートンでか
スランプは迷うことなく8cmにして骨材は20・25又は15・20だったと思いますがハッキリとは覚えていません、セメントの種類は N
寒い季節でしたのでなかなか水を引いていきませんので、邪道ですがダンボールに水を染み込ませて少しだけ抜きました
天端を押さえた後は刷毛引きの仕上げですが刷毛と申しましても普通に皆さんが使っているホウキで掃除する具合で滑り止めの
模様を付けただけです、当方がアート?を描いてみましたが個人的にはなかなかの出来栄えだと思っています
後は振動と寒い時期ですから凍結しないように気をつけて自然に強度が上がるまで養生です、の予定でしたが
お施主さんが不便で困っていますので短時間で通行O.Kとしましたが、走行する車両は軽でしたので微塵も心配はありません
関係ありませんが、高強度コンクリートの基準は現在3種類あります
JIS = 呼び強度が50、55、60
JASS5 = Fc 36を超える
鉄筋コンクリート造構造計算基準及同解説 = Fc 60を超える
( 単位はN/mm2 )
( すべての基準を満たそうと思えば、fc=61 以上になります )
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こんな足跡を発見
整地した翌日に何者なのか、動物らしき足跡が残っていました
大小の大きさからウリ坊一家でしょうか
この辺では珍しくもありませんが色んな動物が生息しています
一応、工事写真状況として撮影記録しました
この日以降も、数回荒らされていましたがエサのないことにやっと気付いたのか
パタッと来なくなりました、ヤレヤレです
ご訪問は深夜におとずれていたようですのでご対面はありません
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こんな工事もしてみました
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池に簡易的な護岸保護処置を施しました
キチンと整備された池の岸辺をご覧いただければお分かりになると思いますが
正規の池の護岸工事や整備工事等はとてもではありませんが個人の方がご負担できる工事金額ではありません
ということで早々代替え案を検討開始
ローコスト費用だけという第一条件のみので検討した結果、再生ガラ転がし工法に決定しました
再生ガラとは、解体工事等で発生した処分するコンクリートをある程度の大きさに破砕したコンクリートの塊です
号数によって大きさが変わりますが、これを池の護岸に並べて風波による浸食を少しでも抑えようということでドンドン並べていきました
ただ単調に並べただけですから見栄えはもう一歩も二歩かもしれませんが工事目的は浸食防止、緩和だけですからこれで十分
早速、協力業者さんにサラッと説明してGo!
運んで降ろして並べて、数時間で作業完了、結果、効果は抜群です、耐久性もあります、そして何より経済的
予算の使い道は人それぞれだと思いますが、出来ることなら予算は住宅の方へ使いたいものだと個人的には考えています
この転がし工法の転がしとは、池の上部から下部へ転がして搬入したことからこのように名付けました
石材を池の周辺に並べて保護する手法を使っているところはこの辺ですと栗林公園の池や川があります
意識してご覧になりますとお気付きになると思いますが綺麗な石材でサイズの揃った丸石をキチンと隙間無く並べています
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護岸保護に使用する再生ガラ |
ただ単に再生ガラを並べただけです |
水中になるであろう池との境界確定杭は浮き上がらないようにコンクリートで周りを固めてから再生ガラを並べていますので
杭を紛失することはまず無いと思っています、この点は水利組合の方々も安心していらっしゃいました
石並べも完了して、やっと水の貯水開始です、浅い水深で、しかも狭い水面でさぞかし鯉達も窮屈だったことでしょう
周辺から鯉の泳ぐ姿が見えていたことから、おそらく水深は1m前後でしょうか、ご苦労様でした
工事の内容があっちこっちになって分かりにくかったかもしれませんが、こんな感じで工事を順調?に進めています
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